◆木曽路◆

奈良井宿(木曽の大橋)
奈良井宿(木曽の大橋)
■奈良井宿(ならいじゅく) 【2009.06.05】

 伊那市から権兵衛トンネルを抜け、番所トンネル、羽渕トンネルをくぐり、姥神トンネルの手前を右折すると県道493(姥神奈良井線)に入ります。奈良井ダムを左に見てSカーブの続く道を下ると国道19号にぶつかり、右折すれば奈良井宿の信号が見えてきます。
 この間15分弱(権兵衛トンネル入口から)。木曽路の宿場町に(伊那市から)こんなにも短時間で行けるなんて思ってもいませんでした。これも権兵衛トンネルのおかげです(3年前の平成18年2月4日に開通しています)。

 この日は雨で肌寒ささえ感じました。気温?伊那谷より3度は低いですよと地元の人は言っていました。積雪もかなりのものらしいです。

 最近一カ月くらいの間に『木曽路』の要所数か所を見て回りましたが、ここ奈良井宿の整然とした街並みが特に印象に残っています。

 道路が広めでゆったりとしています。きちんと舗装されているのでぬかるみにはまることはありません。しかも景観を損なわないように奈良井宿一帯の道路が土色に統一されていて、今日のような雨の日など何とも言えない風情を感じます。

 中山道沿いに形成された街並みは約1キロメートルにも及びおそらく日本で一番長い宿場通りであろうとパンフレットには記されています。街並みに吸い込まれで行くような空間的な広がりもまた魅力です。

 宿場内の軒先を覘いてみると手づくりの民芸品、日用品などが所狭しと並べられています。これらを眺めて回るのも旅の楽しみのひとつでもあります。
 ひのきの箸、匙(さじ)、お玉など各々数点を購入しました。
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 街並みの一角に『木曽五木(きそごぼく)』が一堂に会しているのを見つけて思わずパチリ!
 向かって左から「ひのき」「さわら」「ねずこ」「あすなろ」「こうやまき」と並んでいました。

 田舎暮らしを始めて樹木を間近に眺める機会が多くなりました。でもみんな同じように見えて区別がつきません。
 (こちらに関連記事があります)。

 悲しいかな、何度教えてもらってもこの歳です、右から左へ素通りして記憶に残らないのです。

 覚えては忘れ、忘れてはまた覚えの繰り返し...ま、そのうち何とか覚えるでしょ。


雨に潤む土色の舗装路雨に潤む土色の舗装路 専念寺入口の歌碑専念寺入口の歌碑 鎮神社の鳥居鎮神社の鳥居 吸い込まれるような街並み空間吸い込まれるような街並み空間 一堂に会する木曽五木一堂に会する木曽五木
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■妻籠宿(つまごじゅく) 【2009.06.12】

 江戸と京を結ぶ中山道は、山深い木曽路を通ることから木曽街道ともよばれていました。中山道六十九次のうち江戸から数えて四十二番目となる妻籠宿は、中山道と伊那道が交叉する交通の要衝として古くからにぎわいをみせていました。
 以上、『妻籠宿案内図』より抜粋。

 橋(尾又橋)を渡ると一気に江戸時代にタイムスリップしたようで、(簡易舗装されてはいましたが)道幅が狭く当時の面影が色濃く残されているのを感じました。

 平日というのに観光バスの団体(青年団風?)が途中から訪れて妙なにぎわいをみせていました。
 カメラ片手に銘々に被写体を追っています。宿屋の軒先に巣くっている燕のひなを熱心に撮っている青年が印象的でした。

 600mほど歩き宿場の端にさしかかりました。鯉岩(こいいわ:中山道三名石の一つ)のほとりに山からの湧水が勢いよく流れています。すかさず眼鏡を外して顔にぶっかけました。ヒャッコ!(この日はことのほか暑かったんです)
尾又橋尾又橋 江戸時代にタイムスリップ江戸時代にタイムスリップ 枡形の跡枡形の跡
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■馬篭宿(まごめじゅく) 【2009.06.12】

 右の写真は馬篭宿上入口とそこから100mほど上(北)に上ったところに立っていた2つの標識を合成したものです。

 「これから妻籠宿まで歩くんですよ」
 と元気そうな中年のおばさんがアイスクリームをしゃぶりながら通り過ぎました。標識をみると「妻籠宿7.6Km」とあります。
 「いってらっしゃい。むりしないで」

 すぐ脇に展望台があり南方にそびえる中央アルプスの恵那山(1292m)が目に飛び込んできました。
 「中山道馬篭宿」の標識の下を見ると「江戸に80里半」「京に52里半」と記されています。

 坂道に開けたこの宿場は全国でも珍しいといわれています。

 上入口から下入口までの600mほどの間は石畳になっていて、この坂道の上りはかなり応えます。

 坂道の中ほどに藤村記念館があり、中に入ってみしました。
 島崎藤村の生家(唯一残っている祖父母の隠居所)を始め、研究室・収蔵庫、企画展示室、常設展示室が公開されていました。

 生涯にわたる作家活動の資料が年代順に展示されていて、発刊当時の詩集・小説・童話や原稿用紙に書き込まれた肉筆の生々しい推敲の跡などが見られ、しばし往時を偲ぶひとときに浸ることができました。

 坂道を流れる水の勢いは相当なもので大きな水車を軽々と回していました。


標識(馬篭宿100m、妻籠宿7.6Km)標識(馬篭宿100m、妻籠宿7.6Km) 藤村像(石井鶴三作)藤村像(石井鶴三作) 水車小屋水車小屋
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